4月 20

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何かの仕事をするうえで弱者戦略を取らざるを得ない場合、選択と集中という考え方は非常に重要なのですが、

個人の能力の積み上げ方の場合、つまり字にすると「T」のような感じの、一つの分野や手法については高い能力を持っているが、その他はあまり詳しくない、というスペシャリストを目指す考え方はあまり良くないんじゃないかと最近感じています。

1つの物を生産し続けて飯を食っていける時代では、そういった特化型の能力も良かったかもしれませんが、ある程度変化が頻繁に起こるような世の中では、その強みだった分野自体が完全に無くなってしまう危険性がありますし、

もちろんそうではないパターンも多いのですが、そういった人は自分の価値を下げないために「正義感を持って」集団全体を守りに入る方向に引っ張る力を持つ傾向が強く、これの厄介な部分が無視できない程度に大きい場合を時々見かけます。

また、そうやって守りに入って守りきれる場合は構わないのですが、多くの場合はイノベーションを避けることによって従来の仕組みを守る戦略なき時間稼ぎであり、これは最終的には淘汰され、みんなで仲良く不幸になるパターンでもあります。

私は、ビジネスにおいてそういった守りにパワーが消費されることは大きなマイナスであると考えます。どちらかというと逃げる力の方が100倍大切なぐらいで、不利な状態で攻められた時は一旦退却し、新しい分野を切り拓くのが正しい商人のあり方であり、社会に貢献する方法でもあると思うのですが、

特にいわゆるT字型人材の一部の人は、一所懸命のDNAが残っているのか、機動防御をしなければいけない時に一次大戦ばりの塹壕戦を挑んでしまいがちなので、あまりそういうのは良くないんじゃないかと思っています。

最近、保幼小連携を研究されている方と仕事をする機会があり、これからはどんな初等教育を行ったらよいか、ということを教えていただく機会があったためそのようなことを考えていたのですが、

これからの教育の方向性としては、「T」ではなく、「而」や「冊」のような形の能力を持つ人材、つまり、いくつかの分野についてそこそこに深く知っていて、なおかつそれらの関連性を理解し、組み合わせて新しいビジネス、雇用、富を生み出せる人材が勝手にぽこぽこ育つようなシステムを組むべきではないかと思いました。

子供を見ていると、よくわからないものを組み合わせて得体の知れないものを作っていますが、案外こういったところを上手くコントロールしながら伸ばししていくようなメソッドとそれを支える制度が出来上がれば、「而」のような人材がたくさん生まれて、今のくだらない状況を打開してくれるのかなあと思っています。

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