4月 03

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最近、テンションがあがるようなお話をいただいてます。
そこで前回の失敗を教訓にするため、エントリしておきます。



フェイキー時代にある方からの紹介で、ケータイを販売する店舗を10店舗ほど持ってる会社を紹介されました。
要件は店舗顧客の囲い込みです。

ケータイを買ってくれた顧客に対して、ポイントを付与したり、メールマガジンなどでケータイの買い替えなどを促進したいと。
ここで当社の企画を提案しました。

地域に根付いたサービス展開をされていたので、地域の情報を届けてはどうかと。
地域の商店さんに対して、マーケティングツールとして提供することで、広告収入を見込めるのではないかと考えました。
顧客にケータイの新機種などの案内だけでは、もったいないと考えたのです。

これがウケて、システム開発やデザインなどを受注しました。

いろんなブラッシュアップを行い、店舗さんにある機械も配りました。
その機械をケータイに挿すと、決められたメールアドレスにメールを自動で送信するというものでした。
いわば「空メール」の会員登録ですネ。

計画は驚くほど好調で、リリース3ヶ月で3万人の会員を獲得するほどでした。
半年間継続しましたが、ある日トラブルが発生しました。
#半年も大きなトラブルなく運用できたことを今は褒めたいぐらいですが。

クライアントから、すごい剣幕で電話がかかってきました。

メール配信に大幅な遅延が生じ、
顧客からクレームが殺到したとのことでした。

調査してみると、あるキャリアのスパム判定が厳しくなっており、メール配信できない状態になっていました。
1分間に同じIPアドレスから送信できるメールのしきい値が大きく変更されたのです。
スパムIP判定されてしまうと、4時間ほどメール送信を受け付けてくれなくなります。

そのしきい値は、キャリアが公表することは基本的にないのですが、
なんとか聞き出すことができ、対応することができました。
その後は、特定のIPアドレスをスパム判定から除外してもらうサービスを利用させてもらうことになります。

その経緯をクライアントにご報告するも、怒りは収まらない様子でした。
会社の代表同士の話し合いでは、もはやありません。
身内を罵倒するかのごとく、こちらに対しての文句を言い続けました。
ボクもたまらず、語気を強めて反論しました。

システムの問題ではないし、キャリアの問題にまで責任は持てない。
事前に周知するような運用をキャリアが行うわけがない。

それでも納得いただけないまま、運用担当のシステム会社を変更すると言い出しました。
一緒に育ててきたサービスなのにも関わらず。



フェイキーでは、製作物に対する知的財産権は放棄しませんでしたので、
事前に、契約書でその旨のご了承をいただいておりました。

フェイキーの対抗策は、ソースコードなどの著作物の撤収です。

そこでクライアントから弁護士がやってきたり、
その弁護士事務所に呼び出されたり。

開発費用は原価のみいただいていました。
知的財産権はフェイキーにあります。
アイディアはほとんどフェイキーが出しました。
運用もフェイキーで行っていました。

クライアントは、宣伝と会員獲得のみでした。
先方の主張は、ソースコードは先方のものというものでした。

結果、フェイキーに権利があると弁護士は判断されました。
新しいシステム会社が、サービスをバージョンアップする期間、
システム使用料をいただくことで和解しました。

フェイキーは、受託開発をしたんだと納得せざるを得ませんでした。
これから得られたであろう、広告収入は泡と消えました。

使用料をいただくことで利益を出しました。
負けてませんが、決して勝利でもありません。

とても反省点の多いケースです。



最近、レベニューシェアという言葉で、
システム会社とアライアンスを組むという話を良く聞きます。

お互いの強みを活かせる事ができればいいことなのですが、
想定もしない出来事がたくさん発生するのも事実です。

想定できないケースに対して、
どれだけ柔軟に対応できる約束事を事前に用意できるか。

これがとても重要なことだと、ボクは思います。


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