タガヤっす。
最近、友人の個人事業主たちがスタッフを採用することにしたという話を聞きます。
ボクも経験があるから分かるのですが、雇用する側にはとても勇気のいることなのです。個人事業は文字通り、大抵は自分が食べていくために必死で、他の人の生活まで責任が負えないのが実情です。
しかしふと不安に思うのです。
ひとりで稼げる規模なんてたかだか知れているからです。
個人事業主にとって採用とは一大事業なのです。
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日本の雇用にまつわる法律は素晴らしく整備されています。海外で生活してたことあるボクとしては、かなり過保護だと思えるぐらいです。
映画や海外ドラマにあるように、簡単に「クビだ!」とは言えません。
雇用契約を済ませてしまえば、社内規程にあるルールを守ってさえいれば解雇されることがないのです。さらにその社内規程に書いてあることは、会社でやらなくても法律違反であるような当たり前のことしか書いていません。
雇用する側が一方的に不利な法律なわけです。
そしてその条件は年々厳しくなっています。
会社側は雇用するときに、たくさんの約束事をします。
給与、休日、勤務時間、仕事内容などです。
つまり会社に来てさえいれば、給与が補償されるわけです。
ある本にこう書いてありました。
「日本の国民一人あたりのGNI(国民総所得)は世界17位の360万程度」
これは効率が悪いだけではなく、日本の雇用を守ろうとする風土がいかんのだと思います。簡単に解雇出来ないんだもん。誤解を恐れずに書くと、出来ない社員が残り、出来る社員はキャリアアップとばかりに転職するのが実情でしょう。
あ、脱線しました。
当社では採用するにあたり、こちらからコミットする条件を提示すると共に、相手にコミットしてほしいことを設定しています。
応募者がプログラマとして活躍したいと言えば、具体的にどんなプログラマになって、どんな活躍をするのか。またそうなるのはいつか。
お互いに約束し合うのです。
これはかなりいいことだと実感しています。
このコミットメントを達成するために必要なことはすべて言えるのです。また本人は入社時にした約束ですから、しっかりと覚えておいてくれます。そしてその約束を果たすために尽力してくれます。会社としてはその人を雇用できることがすでにメリットになります。
応募者としては採用試験に通ることが目的なのです。採用してもらったら終了、努力することを年々忘れてしまいます。そしてその会社にいることが当たり前になったとき、何かが崩れ去ります。
もちろん採用後、努力をする人がいないというわけではないです。
ただ、社内の人材について悩んでいる経営者の話を聞くと、ボクは採用のステップが悪いと思ってしまうます。どんな人材になってほしいと約束しなかったからだと。
そしてその後のコミュニケーションも漠然としたものになります。
悪いと思って指摘しても、それは社長の価値観でしょ?みたいな。
最初に約束しておけば、約束が達成されてなければ意見出来ますし、本人も約束したことだからと理解してくれます。
すでに採用した後の人材でお困りの経営者の方は、野球の契約更新みたいなイメージで、約束を作ることをオススメします。
当社は今後、このように展開していきたいと思います。
ついてはあなたにこういった立場でこのような活躍を期待したいと考えていますが、どうですか?って。
その後のコミュニケーションは、飛躍的にやりやすいものになるはずです。
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実はこんなエントリを書いているのは、当社のスタッフが独立するために退職します。
3年前、「自分でサービスを作って運営できるようになりたい」と言って、ウチに応募してきたのを今も鮮明に覚えています。
そのときのコミットメントは、「当社のエースプログラマを目指す」ことでした。そしてそのコミットメントは達成されました。
素晴らしい成長でした。
ボクはイチから指導というより、イチしか教えてませんw
今ではサーバの構築などから、サーバサイドのプログラム、クライアント側のプログラム(JSなど)から全てをこなせる技術者になりました。
ちょっと感慨深いですね。
しっかし、ウチを退職する人が2人目なのですが、2人とも独立するってどんな会社やねんwって思います。
退職しますがウチとの関係はこれからも続いていくと思います。
そう思うと、彼の一層の成長を期待しつつ、見守りたいと思います。
ただ。
これから採用活動を真剣にするので、辞める時期を3ヶ月ほどずらしてもらえませんか?(涙) 年末か年度末に退職したいという言葉を「年度末ね」って自分勝手な解釈で長めに理解しててスイマセン。
11月 30
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